経皮毒とは、その名の通り、皮膚(経皮)を通して、体の中に有害化学物質(毒)が入ってくることをいいます。
通常、皮膚構造は3層になっており、外敵や異物の侵入を防いでくれるのですが、合成界面活性剤などで皮膚バリアである角質層が破壊され、そこから脂溶性の高い有害化学物質が浸入し、真皮の毛細血管まで浸入し、血液に乗って全身を巡ることになります。
また、真皮の下には皮下組織があり、ここは脂肪が多く含まれているため、この脂肪に経皮毒性のある有害物質が蓄積することになります。
皮膚から入った化学物質は10日かかって10%も排出されないといわれており、ほとんどは皮下組織に残留し、体内に蓄積されます。
また、口からはいる毒、たとえば食品に使われてる食品添加物や残留農薬などは経口毒といいます。 経口毒に関しては、肝臓・腎臓などで解毒し、約90%は体外に排出されます。
角質層が厚い部位は吸収量が少なく、薄い部位は多くなります。
性器については、42倍と突出した吸収率となっており、入浴剤やボディソープ、生理用品、避妊具などは特に安全性の高いものを選ぶ必要があります。
また厳密にいうと、皮膚ではないですが、口内や肛門など粘膜に覆われた部位は角質層がないので皮膚バリアが全く効きません。解熱で使用する座薬に即効性があるのはそのためです。
口中も皮膚バリアが効かない無防備な部位なため、歯磨き粉やマウスウォッシュなども注意が必要ですが市販されている歯磨き粉の殆どには有害化学物質が使用されています。
分子量が小さいと浸透しやすくなります。
まず、皮膚細胞に関わらず細胞膜は分子量500以上の大きな物質は通さないという特性を持っており、それが異物の浸入を防ぐバリア機能となっています。
しかし、私たちが普段日常使っている日用品に含まれる溶剤や合成界面活性剤、プロピレングリコール(分子量76.1)やラウリル硫酸ナトリウム(分子量288.4)などの化学物質は、分子のサイズが非常に小さいものが多いので、脂溶性の化学物質は、細胞膜や細胞のすきまを潜り抜け、皮膚から浸透しやすいと考えられています。
また、細胞を形成している細胞膜の主要成分はリン脂質をはじめとする脂質で形成されているため、水分の浸入は拒絶するのに対し、脂溶性物質は受け入れやすくなります。
脂溶性物質と細胞膜を形成する脂質が融合した状態となる細胞膜は破壊され、有害化学物質を容易に体内に取り入れてしまうのです。