これらは諸原因あり、必ずしも体内汚染が原因であるとは言い切れないケースもあります。しかし、体内汚染の現状を踏まえると、汚染物質が、何らかの影響を与えていることは想像に難くありません。

20079510:02 産経新聞

 

毒性が強く、地球規模での環境汚染が問題になった、ポリ塩化ビフェニール(PCB)に構造や毒性がよく似た臭素形化合物が、日本人の母乳中に蓄積していることが、摂南大学薬学部などのグループによる分析で判明・発表されました。

 

この物質は、国のダイオキシン類対策特別措置法の物質、コプラナーPCBに含まれ、塩素の一部が臭素に置き換わった物質で、「塩素・臭素化コプラナーPCB(コプラナーPXB)」と呼ばれ、新たな汚染物質として注目されているそうです。

 

グループの、太田壮一摂南大准教授は「この物質による、人体汚染の確認は世界初。世界各地の、魚の汚染も確認され、人体への汚染は、魚を食べることが一因と見られる。今後、人間への影響評価や、発生源の解明が急務だ!」と指摘しています。

 

グループは、国内の2133歳の、母親7人の母乳を分析。

毒性が最も強いダイオキシンに換算して評価した毒性換算値(TEQ)で、脂肪一グラムあたり、0.421.41ピコグラム(ピコは1兆分の1)のコプラナーPXBを検出した。

 

国内で販売されていた、世界各国や日本周辺の魚、南極海のミンククジラの肉などに、コプラナーPXBは含まれていることも判明。地球規模で、汚染が進んでいることを示した。コプラナーPXBは、これまで毒性評価の対象になっていないが、研究グループは、毒性はPCBに匹敵すると考えられると指摘。母乳中の有害物質が、乳児に与える影響が過小評価されている可能性があり、PCBなどとともに、コプラナーPXBを加えて評価すべきだとしています。

 

大田准教授は、「ゴミなどの焼却の他、向上の排水などが汚染源になっている可能性があるが、その発生源については、詳しいことは分かっていない」と話している。

 

 

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